口腔内の細菌などが、誤って気管に入り発症する誤嚥性肺炎。
近年、看護・介護現場で口腔ケアが注目され始めてきたのは、誤嚥性肺炎予防への顕著な効果が、様々な研究により明らかになってきたためです。
口腔ケアには、歯磨きなどにより口腔内を清潔にし細菌を減らす器質的口腔ケアのほか、捕食、咀嚼、食塊形成、嚥下などの口腔機能を回復させる機能的口腔ケアも含まれます。口腔の細菌除去と機能回復がケアの中心となり、誤嚥性肺炎を予防するということです。
機能的口腔ケアにより「口から食べられる」ようになることは、免疫の観点からも注目されています。経鼻管や胃瘻など非経口による栄養摂取が長期化することで、腸管粘膜萎縮を起こし、さらに感染症への抵抗力の減少を来たすことがわかっています。つまり、口から食べて免疫力を上げることは、誤嚥性肺炎予防の上でも重要といえます。