安全においしく食べるためのガイドブック
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在宅や施設における食支援では、「姿勢の調整」「呼吸の確認・調整」「口の清掃」「口腔リハ」「食事の介助」などが一連の流れの中で行われます。本書は、それぞれのケアのポイントを簡潔にまとめてあり、これ一冊で食支援の基本がわかるようになっています。また、本を見ながらその場ですぐに活用できるように、イラスト約100点を使いビジュアルでわかりやすく表現しています。
第1章 姿勢の調整
目が覚めていますか?/身体を起こす/誤嚥しない姿勢/【ワンポイント講座】栄養と免疫力?
第2章 呼吸状態の確認と調整
痰の取りのぞき方/深呼吸のしかた/【ワンポイント講座】栄養と免疫力?
第3章 歯の清掃
歯のみがき方/入れ歯のお手入れ/舌の清掃/【ワンポイント講座】入れ歯のQ&A
第4章 口腔粘膜の清掃
粘膜の清掃/乾燥しやすい口のケア/【ワンポイント講座】唾液の役割
第5章 食べる力をつける訓練
首や肩のリハビリテーション/唾液腺のマッサージ/頬と口唇のマッサージ/口腔内のマッサージ/舌の運動/うがい/嚥下を良好にするリハビリテーション/【ワンポイント講座】摂食用具、増粘剤(とろみ剤)
第6章 食事の介助
食べる力をつけるために/じょうずな食事の介助
ひとくちに食支援といっても、摂食・嚥下に関わる食動作の支援、食事の介助、食べられる口をつくるためのケア、食材の見直しや調理法など、非常に多岐に渡っています。それぞれが1冊の本になるくらいのテーマなのですが、全部読んで勉強するのは現実にはなかなか大変です。「食支援に必要なことをコンパクトにまとめた本が欲しい」と、私も含め多くの看護・介護職の方が実感されてきたのではないでしょうか。本書を出版前に読ませていただく機会があり、私の長年の希望をかなえてくれる本であることが確信できました。「こんな本が欲しかった!」まさにそんな一冊です。
オーラルケア 口腔ケアセミナー講師 唐沢咲枝
このガイドブックの著者は、看護師の小山珠美先生と歯科医師の五島朋幸先生です。1・2・5・6章を小山先生が、3・4章を五島先生が担当されています。お二人に共通するのは、口から食べることの大切さを訴え、口腔を通して全身の健康や生きることを支援していこうという理想をもたれていることです。
また、小山先生は臨床だけでなく教育活動にも尽力されており、2005年には愛知県看護協会認定看護師教育課程「摂食・嚥下障害看護」主任教員を務められました。一方、五島先生は訪問診療でお忙しい合間を縫って、ラジオ番組「ドクターごとうの熱血訪問クリニック」のパーソナリティとしても活躍されています。
日々、情熱をもって診療や看護ケア、さまざまな活動に取り組まれている両先生の熱い想いが、読者の皆様に伝わりますことを切に願っております。