このコーナーでは、看・介護現場から寄せられた口腔ケアに関するお悩みを解消します。
さらに、カンタンで効果的なワンポイントアドバイスもご紹介! ぜひ、日々の口腔ケアにお役立てください。
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脳卒中で麻痺がある患者さんの歯を磨いたとき、出血させてしまうことがあります。
どんなことに注意して磨いたらよいでしょうか?
(療養病棟 看護師Mさん)
こんにちは、Mさん。
麻痺のある方は、歯肉に知覚麻痺があることも考えられます。ですから、歯ブラシの毛先で歯肉を傷つけないようにすることが重要です。
まずは、今お使いの歯ブラシの毛のかたさを確認することからスタート。普通のかたさだと傷つけやすいので、やわらかくコシの強い歯ブラシに変更します。そのとき、ブラシの当て方と力加減に注意してください。毛先部分を使い、歯肉を傷つけないように磨きましょう。
麻痺があると、口腔内の知覚が低下して誤嚥しやすくなります。誤嚥を防ぐポイントは、次の3つです。
①術者のポジション
②患者さんの姿勢
③溜まった唾液の吸引
大切なのは、口の中に溜まった水や唾液を吸引しながらケアすること。唾液が溜まりやすい場所は、「下の一番奥歯の裏側」と「下の前歯の裏側」の2か所です。
吸引の設備がない場合には、舌の脇に『柄付くるリーナブラシ』を沿わせて唾液を吸い、頬側から歯ブラシで磨きます。